自転車の生産国と工場

自転車の生産国

各国で生産された自転車がお客様のお手元に届く時には 小さい『MADE IN ○○○○』と言う ステッカーが貼られているだけですから ステッカーに気づかなければアメリカブランドの自転車は米国製の自転車だと 勘違いされている方も多いのではないかと思います。高額車種以外は殆ど台湾か中国です。

私たち自転車屋には、台湾で生産され7割程度組み上げられた箱入りの自転車が次々と入荷します。 もちろん、ご来店頂いて自転車をお求め頂くお客様には 組み立て済みの店頭に並んでいる自転車をご覧頂くわけですから箱は当の昔に潰してしまっています。

実はその箱に隠れた???秘密が隠されておりダンボール箱の色や質、プリントなどで 大体は何処の工場で生産された物かが分かるわけです。

例えば、SCHWINN MOAB3の箱の横には丸の中に美利達と書いてあります。 又、PEUGEOT製品、R&M BD-1、PEUGEOT-PACIFIC18、などは 台湾のPACIFICと言う会社で生産されております。 台湾では1位2位を争う技術力を持つ会社だと聞いております。

だから良いとか悪いとかと言うことはありませんし、デザインやジオメトリー、 価格は各メーカーで違いますからその自転車のコンセプトやデザインと お客様の好みが一致することがご購入頂く際には一番重要なポイントです。

最近はどこのメーカーも台湾・中国・ベトナム・本国を上手く使い分けており、 レース指向の本格的な物は本国で、初心者・中級者向けのエントリーモデルは台湾で とにかく値段だけが勝負の低価格帯の物は中国・ベトナムで生産する事が多くなっております。

又、BRIDGESTONEの自転車でも、「Designd By BRIDGESTONE」とサドルの下の縦パイプに シールの貼ってあるものはブリヂストンの中国工場で生産された物ですので、 国産と比べると、強度や耐久性はまるっきり弱く 決して丈夫で安心なブリヂストンの自転車とは言えません。 カタログのブリッド,その他オープンプライスの物はその類の物が多いので、要注意です。

台湾完成車メーカーの対米OEMブランド

野寶 (A-Pro) PARK PRE ,RALEIGH ,MARIN

見誠 (Acctrikes) DIAMOND BACK ,MONGOOSE ,SCHWINN ,REDLINE ,IRON HORSE

僑大 (Asta) MONGGOSE

太宇 (Astro) VOODOO ,GT ,SCHWINN

達生 (Dodsun) UNIVEGA

菲力 (Fairly) MARIN ,FUJI ,KONA

順捷 (Fritz Jou) SCHWINN ,SCOTT ,FISHER

豊田 (Fung Tien) PARK PRE

巨大 (Giant) FISHER ,SPECIALIZED ,TREK ,UNIVEGA

愛地雅 (Ideal) TREK ,FUJI ,JAMIS ,MONGOOSE ,FISHER

盈全 (Inchuan) GT

世同 (Kenstne) HARO

卜威 (Kinesis) MONGOOSE ,UNIVEGA ,SPECIALIZED ,HARO ,GT ,KONA

立洋 (Liyang) BIANCHI ,GT ,IRON HORSE

美利達 (Merida) GT ,MONGOOSE ,SCHWINN ,SCOTT ,SPECIALIZED

永棋 (Ming Cycle) ROSS

明甸行 (MT Racing) SCOTT

順杰 (Rockman) REDLINE

三發 (San Fa) GT

輝達国際 (Southern Cross) MONGOOSE ,HOFFMAN

旭生 (Sunrisc) TREK ,ROCKY MOUNTAIN ,SE RACING ,BALANCE

泰億 (Taioku) SCHWINN ,SCOTT ,IRON HORSE

台湾穂高 (Taiwan Hodaka) BIANCHI ,BREEZER ,JAMIS ,PROFREX

聯程 (United Engg) KHS

威輪 (Wiling) GT

※ これは結構昔の物ですから現在では随分変わっているのですが、参考までに...

カタログの仕様となんで違うの?

「自転車は部品の寄せ集め」でも書きましたが、 自転車は各部の寸法など、一応の規格が決まっている為に 各メーカーで作っている部分は専用の特殊な部品以外は自転車のフレームだけで、 部品は部品メーカーから調達しています。

現在世界のシェアかなりの割合を占めているシマノのコンポーネントの新型が 自転車ブランド向けの発表を梅雨頃発表すると言う事もありますが、 一般的に各ブランドは5〜6月頃から時期モデルの企画を初めます。

自分達が作りたいフレーム、売れそうなデザイン、売れ筋の価格帯、 それらを検討し、それにはどの部品をどのパーツメーカーから調達し、 どのグレードの部品を付けるか?などを決めて行きます。

次のモデルはこれで行こう!!と決まると、サンプルを作製するのですが、 その時に各部品全ての新型パーツが入手できるとは限りません。

通常は部品メーカーもその時期にあわせて新型を発表するのですが、 年を越してから新型を発表する部品メーカーもありますし、 材料の入手や製造関係の都合で部品の仕様が変わる事もあります。

MTBのフロントサスペンション一つをとっても アメリカブランドの台湾製でサンプルは出来上がったが、 工場の都合で製品になるまでに非常に時間がかかってしまったり、 実際に製品になった時に相性が悪かったり、調子がおかしかったりなどで 仕様の変更を余儀なくされる事が頻繁にあります。

そのような訳で「※仕様は予告無く変更される事があります」と、 小っちゃな文字でカタログに後ろに書いてあります。

自転車屋も自転車メーカーも安定供給したいのはやまやまですが、やはり皆さん新型に目がないようで、 「今年も去年と同じ物を作りました!!」と言ってもなかなかお求め頂けないですし、 安定供給するには倉庫に沢山在庫をしておかなければならず、 在庫を沢山すると言う事はその分コストやリスクが多く、自転車の価格に跳ね返ってしまいます。

その点、日本の大手ブランドの国内生産車は、毎年代わり映えはしませんが、 国民性なのか、外車に比べると比較的完成した状態になってから売り出すと言うような体質になっているかと思います。

反面割高で、最近は需要も少ないですから スポーツ車はセミオーダーのような形が多いです。

結局、新型には新型なりのリスクがあり、供給や商品の安定性は 少し割高だな?と思える物程良いと言う事になるかと思います。

また、自社工場で設計から生産まで全て賄っているブランドの物も 納期などは比較的安定しています。

ただ、国産車、輸入車に関わらず、完成車の場合、部品メーカーの都合で仕様変更しなければ ならなくなってしまう事が多いですからそれが許せないという方は割高になってしまいますが、 完成車を買わずにフルオーダーにしましょう!!納期も仕様も思いのままです。